こんにちは!データ分析基盤チームの新卒3年目、T.S.です!
今回は、私が数ヶ月かけて取り組んだ「システムから抽出できる値を、現場の認識と一致させる」というプロジェクトについてご紹介します。データ分析に携わる方なら誰もが経験する「数字が合わない!」という悩みを、どう解決したのか、その地道な道のりをお伝えします。
二重管理が引き起こしていた課題
私の主な業務は、システムに登録された営業データを分析しやすく整え、事業部が見やすい形で可視化することです。しかし、抽出したデータが現場の認識とズレることが頻繁に発生していました。
その結果、事業部内では、システムへの登録とは別にGoogleスプレッドシートを用いて営業KPIを手入力・手集計するという、「営業KPIの二重管理」が行われていました。これは、システム入力が形骸化し、事実上は手元のスプレッドシートで管理されている状態であり、特に契約以外の業務進捗や細かい分析が非常に困難になるという課題を抱えていました。
この二重管理が引き起こす問題は深刻でした。
- 無駄な工数の発生: 手入力・手集計に膨大な時間がかかっていました。
- システムデータを使った原因分析の困難さ: 手集計データでは困難な分析において、システムデータを用いると担当者間の認識齟齬が生じるため、原因究明が困難です。
- 「正しい」数値の不明瞭さ: スプレッドシートの数値はあくまで自己認識であり、実態と一致しているとは限りませんでした。
そこで私は、「手集計による二重管理をなくす」ことを目標に、システムから抽出される値を実態に合わせるための取り組みをスタートさせました。
実態とズレる数値の「6つの原因」を徹底解明!
まず取り組んだのは、なぜシステムから実態と合う数値が抽出できないのか、その原因を突き止めることでした。
具体的には、以下の手順で調査を進めました。
- システムから取得した数値と手入力されている値の差分を比較
- 差分がある部分を一件ずつ詳細に確認し、何が余分なのか、何が漏れているのかを特定
- 明らかになった点について、営業担当者に直接ヒアリングを行い、差分が生じた原因を究明
この徹底的な調査の結果、システムから実態と合う数値を抽出できない理由は、大きく分けて以下の6つに集約できることが分かりました。
- システムへの登録漏れ
- 登録内容のミス
- 二重登録
- システムの入力規則や事業部内のカウント条件の理解不足
- 他部署の事前登録が必要な場合の登録漏れ
- 事業部内でカウントしたい条件とシステムの仕様の不一致
6つの原因の解決に向けた3つのアプローチ
次に、特定した原因それぞれに対して、具体的な対応策を検討しました。これらの原因は、登録者の目線で、①注意すれば防げるもの、②ミスだが注意しても防げないもの、③仕組みに原因があるもの、の3つに分類できます。
この分類に基づき、以下の3つの対応策を考え、実装しました。
- ダッシュボードの作成
- 内容: Looker Studioを使って、週次のKPI数値とその内訳が確認できるダッシュボードを作成しました。
- 効果: 登録者自身が登録漏れやミスに気づけるようになりました。
- 解消を見込む原因:ダッシュボードを通じて登録ミスや登録漏れに気づきやすくなるため、登録者起因の原因(分類①)の発生を抑制し、ひいてはシステム仕様不一致(分類③)などの根本原因特定にもつながります。
- 差分報告フォームの展開
- 内容: ダッシュボードの数値と自己認識が異なり、原因が分からない場合に報告できるフォームを設置しました。報告された内容でシステム登録に時間がかかるものは、ダッシュボードに「登録待ち」として表示されるようにしました。
- 効果: システム登録を待たずに実態に合う数値を確認でき、原因不明の差分も回収できるようになりました。
- 解消を見込む原因: 先述の分類における②登録者のミスだが注意しても防げないもの、③登録者のミスではなく仕組みに原因があるもの、それぞれの対策となります。
- ダッシュボードに表示する値の条件修正
- 内容: 今回判明したシステムの仕様とカウント条件の違いに基づき、ダッシュボードに表示させる条件を修正しました。
- 効果: ダッシュボード上で事業部が本当に欲しい数字を見られるようになりました。
- 解消を見込む原因: 先述の分類における③登録者のミスではなく仕組みに原因があるもの、への対策となります。
これらの施策を実装した結果、現在では事業部内での営業KPIの手集計は不要になり、システムへの登録も活発に行われるようになりました。手集計で行われていた課内のフィードバックも、システムから抽出した値を元に行われるようになっています。
地道な道のりで見つけた「学び」
この取り組みの中で最も大変だったのは、原因究明時の営業担当者へのヒアリングでした。お互いの負担が少なく、協力してもらいやすいヒアリング方法を日々模索しました。例えば、前日のKPI数値をメールで送り、ズレがあれば返信してもらう方法を試しましたが、誰からも返信がなく、すぐに断念しました。この「潔くすぐにやめる」は正解だったと感じています。
最も効果を感じたのは、「スプレッドシートへの原因入力」でした。これを継続することで、差分が発生する原因が徐々に減っていったのです。一方で、メンバーへの入力依頼は根気が必要で、組織のバックアップや課長層を巻き込み、彼らからも呼びかけをしてもらうことの重要性を痛感しました。
まとめ:データは信頼性が命!地道な努力が未来を拓く
「システムから抽出できる値を実態の認識と合わせる取り組み」は、単なるシステム入力の呼びかけや数字の調整ではありませんでした。それは、データの信頼性を高め、業務プロセスを改善し、最終的には組織全体の生産性を向上させるための重要な挑戦だったのです。
実際に行ったことは非常に地道な作業でしたが、この経験を通じて、課題を具体的に特定し、多角的なアプローチで解決策を実行すること、そして関係者全員を巻き込みながら粘り強く取り組むことの重要性を改めて学びました。
これからも、私たちはデータと真摯に向き合い、より良い業務環境を追求していきます。
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